それは━━少しだけ未来の物語

あり得るかもしれぬ時の一点で語られるお話





彼は極めて奇異なる人


眠っている時に見る夢を意識し、コントロールすることができる者





彼の隣には優しい者が一人


夢みる日常を、願い想い続ける少女が一人





彼の近くには猛き者が一人


最強の夢を追い、ひたすら己を鍛える男が一人





彼が知らぬ退魔の徒が一人


夢を乱す、邪なる者達を狩る男が一人





彼を見つめる紅き闇薔薇が一輪


夢を死と、無垢の混沌に横たえる少女が一人


彼らには力があった
それはまこと常人ならざる力

超能力ではない、決して説明できないわけではない
けれど、明らかに人の常ならざる力





その者達は彼らの力を『異能』と呼んだ


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